#777 言葉のちからシリーズ01


canon NEW F-1 / FD50mm macro / Lomography color negative 400 / 2017SEP

写真家・鬼海弘雄氏の作品「ぺるそな」(草思社) あとがきより引用

(中略)

ほとんどの時間は、ただ待つことだ。

だが、カメラは出会いがあれば一瞬にして写し取れる「魔法」なので、待つことができる。そんな無聊な時間は、見慣れたはずのものを、ただただ繰り返して見続けることの面白さをそっと教えてくれたりする。

ふと、日常の時間の襞に潜む驚きやふしぎを見つけたり感じたりすることで、生きることの謎を浮かびあがらせるからだ。

理屈っぽくなってしまったが、ただ、わたしは、人が他人にもっと思いを馳せていたり、興味を持てば、功利的になる一方の社会の傾きが弛み、少しだけ生きやすくなるのではないかと思っているからだ。

そんな妄想から、存在感に溢れた人びとを、よりいっそうに恰好良く、まるで舞台に立つ主人公のように撮りたいだけ、いつも思っている。

もっと人を好きになればいいのだと・・・。

写真集「ぺるそな」に出てくる市井の人々の眼差しに、その人の人生そのものが如実に現れていると思いました。そして、それを写真として写し取っている鬼海さんの眼差しはとても優しいものなのだろうと思います。そうでなければ、被写体の方々の眼差しにその人の人生そのものが浮かび上がることはないと思います。

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