Her name is KIKI.


canon F-1n / FD50mm / Lomography400 / Thank you, KIKI:)
彼女の名前はKIKI。
後輩D君との2人写真部の初日にひょんなきっかけで知り合った上海出身のKIKI。
後輩と僕はその日、夕方の17時に照国神社前にそれぞれのフィルムカメラを持って集合。
夕暮れまでのわずかな時間に、照国町界隈をパシャパシャやろうと36枚撮りフィルムを装填。
歩道を歩きながら、めいめいにシャッターを切る。
今回は特にテーマを設けずに、赴くままに撮ろうということに。
県立図書館の目の前の角に、目新しいお店を見つけた僕は、
お店のガラス越しに見える店主らしき女性の後姿にシャッターを切る。
その距離、5メーターほどだろうか。
シャッターを切り終えた瞬間とほぼ同時に、その女性がこちらを振り返り、
「え!?なに??」と言わんばかりのどぎまぎした表情を浮かべる。
僕は内心見つかっちゃったと思いつつもニコニコと笑い、何事も無かったかのように
後輩とすたすたと歩き、店の前を通り過ぎた。
そして、県立図書館と黎明館の敷地内で30分間お互い単独行動で赴くままにシャッターを切った。
後輩D君と合流後、日没が近いけれど、裏道から城山に登ってみようかと話しながら、
さきほど盗撮がばれてしまったお店の前を通り過ぎようとしたら、
店主の女性が店から出てきて僕らに駆け寄ってくるではないか。
内心「さっきの写真返して!」と言われるんだろうなと思い、はてどうしようかと考えていたら、
彼女の一声は「城山へ登る道を知りませんか?」
あれ、怒ってないんだ。ちょっと拍子抜けしてしまった僕と後輩だったけれど、
ほっと胸をなでおろしながら、「知ってますよ」と答える。
「案内しましょうか」と続けて答えると「あの、私じゃなくてあちらの女性なんですけど」と向こうを指差す。
すると、一人の女性がこちらへ近寄ってくる。
彼女はiPhoneを片手に、デジタルカメラを肩に提げていた。
そして、英語で「あの山に登りたいから、道を教えて下さい」と言う。
後輩と僕は知っている限りの英単語を使って「道案内します」と答える。
だが、なかなか通じない。
そこでiPhoneへ中国語で話しかける彼女。
すると、画面に日本語へ変換された文章が並んでいる。ぎこちない日本語が並んでいた。
こちらも彼女のiPhoneに日本語で「山の上まで案内します」と話しかけて、
その変換された中国語の表示を見た彼女はようやく理解したみたいだった。
かくして3名は城山へ登るため、並んで歩き始めたのでした。
今日はここまで。続きはまた今度。